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  • 山田はるこ

絵を描くこと5[素材編2土]

素材編の2ということで、今回は「土」です。

いわゆる「絵を描くこと」に抵抗があっても、これは結構な割合で楽しめる感じがしております。


「絵の具」ってそもそも何よ〜と考えてみます。


コトバンク

絵を描くための彩色材料。有彩色、無彩色を問わず、彩色しようとする物(板、布、紙などの基底材)の表面に塗ると、そこに定着し、色をもつ物質の層となって被覆する性質のものを広い意味で絵の具ということができる。したがって絵の具は、一般には、色をもつ物質である顔料(がんりょう)の粒子と、それらの粒子をつなぎ合わせて描きやすい状態に保つ展色材、および画面に定着させる接着剤からなっている。そして多くの場合、それぞれの絵の具の中に含まれている顔料以外の主要材質が展色と接着の二つの役割を果たしている。たとえば、油絵の具に用いられる植物性乾性油は、絵の具が密閉保存されている間は適当な粘度に絵の具を保ち続け、使用に際して顔料の粒子が離散しないように保持している展色材である。そして、画面に絵の具が塗られて空気にさらされたのちは、酸化重合によってしだいに固形物質に変化し、顔料の粒子をしっかりと結合して塗膜を形成し、画面に絵の具を定着させる接着剤の働きをする。このような材質をメディウムといい、メディウムを含まない原料のままの粉末色料を顔料とよび、顔料をメディウムで結合したものを絵の具とよぶべきであろう。

 しかし伝統的に岩絵の具とよばれる日本画の彩色材料は、粉末顔料をさしている。日本画のメディウムは膠水(こうすい)であり、制作に際して初めて膠水で溶いて使用される。したがって、日本画においては、制作時に絵の具がつくられる、あるいは絵の具をつくることから制作が始まるといえよう。ヨーロッパの画家たちも、かつてはすべて顔料を各種のメディウムで練り上げて絵の具をつくっていた。しかし、19世紀になって工業化されたチューブ入り絵の具などが開発されると、そのような手仕事はしだいに行われなくなった。日本画の技法は、今日においてなお伝統的な画家の手仕事が守られている数少ない絵画技法である。

 また、前述したような意味でのメディウムを使用しないで描く代表的な絵画技法に、フレスコがある。フレスコの絵の具は、顔料を水で溶かしただけである。この場合、水は展色材の役割を果たしているが、それだけではけっして接着剤とはなりえず、水分が蒸発したのちには顔料粒子のみが残り、すべて剥落(はくらく)してしまうであろう。そこでフレスコ技法では、地塗りの湿った漆食(しっくい)に含まれる石灰水の化学変化を利用して、顔料を壁面と一体化させてしまう。接着剤としてのメディウムが絵の具自体にはまったく含まれていない特殊な絵画技法である(ただし石灰水で溶く場合もある)。

[長谷川三郎]


だそうで、ちょっと言葉が難しいですが、簡単にいうと顔料という色の粉みたいなモノと、それをまとめて、画用紙なり画面にくっつける接着剤からなるということです。

また顔料の多くは鉱物からできています。日本画ではその名の通り「岩絵の具」と言うわけですが、岩、石を細かく粉末状にしたものを使います。



と言うことは石やら、砂、土みたいなモノとそれをくっつけるモノがあれば絵の具になるわけです。


この「石、砂、土」どれも身近なところにありますね。

この材料を採りに出かけるところから、制作をスタートします。

オリジナルの絵の具作りです。

スコップとバケツを持って、お外に出かけます。良さそうな土を見つけたら少し掘って取ってみます。少し深く掘ってみると、赤土の様な少し色の違う土が出てきたりします。

少し手で触れて、さらさらの所もちょっと感じが違うことがわかります。

地面をじっくり見て、少し掘って色をじっくり見る。それだけでもなかなか面白いです。さらに、土を掘ってみると土のにおいがしたり、場所によって土のにおいや手触りも違っていたり、色々な変化に気がつきます。

まさに五感を使って、土を探していきます。


いくらか集めたら、今度は土をふるいにかけます。園芸用のふるいがあればそれを、無ければ100均のザルや茶こしなどでもできます。さらさらと分けて、細かく落ちてきたモノをこちらに、ふるいに残ったモノはこちらにと別の容器に入れていきます。







分ける作業も楽しいモノです。一番細かい茶こしを通した土のさわり心地は、もはや普段何となく知っている「土」とはべつものの、何ともスムーズなさらさらと気持ちの良い感触です。

ケースに分けて入れていきます。




様々な色に分けられています。良く見れば、赤っぽいモノはレンガ、白っぽいのは数珠玉の実のようです。

アトリエのプランターの土なども使っているので、肥料のようなモノも混ざっているようです。


分けることが楽しくなれば、こんな風にきれいに収まることも。右の方にある黒っぽいモノは炭ですね。炭は塊のまま握って、鉛筆のように紙に線を描くこともできるし、金槌でたたいて細かく粉末状にして、使うこともできます。


そして、こんな素材のパレットができたら、これで顔料の準備ができた状況です。

そしてこれらをまとめてくっつけるメディウムとして、ボンドを使います。



使い方はいくつかの方法があります。


1.ボンドを水で少し薄め、筆にボンド水を含ませ、画用紙に線を描き、上から顔料をさらさらと落とす方法。この方法でやると、顔料の色や粒子の感じが表面的によくわかるようになります。色の見えなかった線が、上から粉を振りかけることで浮き出てくるのが楽しい方法です。ただし、作業中机がざらざらになったり、乾燥後もパラパラと一部の粉が落ちる場合があります。



2.水で薄めたボンドに顔料を入れ、筆に顔料もボンドも付いた状態で描く。

この場合も比較的粒子の細かい顔料でやると効果的です。こちらの方法だと、上の方法より紙への定着がしっかりして、制作後土がさらさら落ちてくる割合が少なくなります。

土の濃淡で線の雰囲気が出て面白い表現になります。



3.ボンドで直接貼り付ける。

石ころやレンガ、など重たいモノは薄めたボンドでは付かないので、ボンドを直接使って、紙に貼り付けていきます。

さらさらの部分と、石ころの部分ではやはり表情が違ってきて、面白いモノになります。



4.接着しない

あとは、接着して固定することを前提としない作品として、板の上に制作していく方法です。

土と砂の色の違いも良く見えます。また、さらさらと土を出して、盛り上げてみたり、手で平らにのばしたり、指でひっかいてみたり、色々な手の動かし方で、土が置かれた地の素材と土の素材とのコントラストが見えてきます。

こういった作品は、写真に納めて、土はまたプランターなどに戻してしまいます。



小さいお子さんたちはお砂場遊びで砂にも親しんでいて、ほとんどの子が「やった〜!」と嬉しそうに色々作り始めますが、時には「おへやでお砂良いの?」と言う子もいます。もし、屋外のスペースでできる場所があれば園庭などが作業スペースとしてはお勧めです。アトリエにはお庭が無いので、基本室内での作業になります。「大丈夫よ」と皆で取り組む様子を見せれば、誰でも次第に楽しんで制作に取り組むことができます。ただ室内でこの活動をするとどうしても床はざらざらになります。お家の室内でやるのことはお勧めしません。


小学生になると、反応は様々です。すっかりお砂場遊びをもう卒業しているのか、土を触ることすら、「うえ〜きたね〜」言ったり「汚れると怒られる」と言う子もでてきます。それでも、抵抗なく取りかかれる子の様子などを見ている内に楽しそうに見えてくるようです。素材準備の所まではほとんどの子が楽しんで、土に触れ、ふるいにかけたり、石を金槌で砕くことに挑戦してみたり、力比べのようにたたき出す子も。石は叩いてすぐに崩れるような、比較的柔らかいモノから、叩いても叩いても全く割れないモノまで色々あることにも気がつきます。また、割れると、割れた面の色が違っていたり、叩いているときに石から独特の香りがしてきたり、素材を五感で感じられます。


また、素材を保管していると、さらさらにふるった土から小さな植物の芽が出てくることもあります。土の中に小さな種が混ざっていることなど、目ではとても確認出来ないけれど、その現象から土に含まれる生物を感じて、生き物のたくましさを感じることもあります。


制作プロセスの中で、様々な自然素材との関わりが持てたらといつも感じています。

私自身、立体作品の制作に様々な素材を使います。土、石膏、木、金属、そしてそれらを加工する道具を使います。どんな素材もその時の温度や湿度、そして硬さ柔らかさによって、色々な手入れが必要であったり、道具の選び方や、準備などが変わってきます。

でも、その様に物理的な現象を感じながら何かを作ることに、他の何ものにも変えられない面白さがあると感じています。


そして、絵を描く、表現すると言う行為が特別なモノが無いと出来ないのではなくて、身近にある様々なモノで、表現をすることが出来ると感じられたら良いなと思っています。「これがないと描けない」「あれを買わないと作れない」ではなく、近くにあるモノを使って

少し工夫をすることで、本当にいろんなことが出来るので、そんな風に考えられたらいいなと思います。





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