東京都5月末の自粛解除を受け、レッスンを再開しております。
4月テスト実施、5月は複数回のオンラインレッスンを実施しておりました。
オンラインで、みんなとレッスンができるのはそれはそれで楽しいものでしたが、
何しろ画面の向こうにいる子どもたちの様子は当然アトリエにきてくれている時のように
丸っと見えるわけではないし、どんなふうに感じているか、何をきっかけに次の展開へと進めているかわからず、発信側である私の方がフラストレーションを感じてしまうことも多々ありました。
ということで、念願のアトリエでの教室実施。
やっぱり子どもたちの顔を直接みて、話し合いながらできるのが何よりです。
同じ空間で一緒に学ぶ、そのことの喜びを改めて実感しました。
「喜び」だなんて大人の仕事には無関係というか、ほとんど重視されないワードのような気がしますが、やっぱり大事ですよね。
教室の時間の主役はまさに子どもたち、それでもしっかりとその環境を作り出すのは大人の仕事です。気持ち良い空間だからこそ、そこで作ることが喜びになって良い作品ができてくる。ポジティブマインドの強さを侮ってはいけません。
アトリエで提供している学びのソフト面の一要素として、「気持ちよさ」「喜び」はとても大切に考えるべきだと思っています。
また、同じ空間で行うことで、子どもたち同士も他の子がどんなものを作っているか、お友達と一緒ということに喜びがありますし、その様子を見ることでたくさんの刺激を受けながら自分の制作に取り掛かることができます。本当に大切な学びです。
また、アトリエでできることの大事な要素としてアトリエの設備「ハード」があります。
汚すこともかまわず、思い切り絵の具を使ったり、ノコギリや、金槌などの工具を使ったり
そうしたハードをフルに使いこなすことで、作ることのより豊かな体験ができると思います。
子どもたちが木で「こうして、ここはこうやって横にして、こうしたい!」とイメージははっきりあるんだけれど、どうしても強度や本人の筋力が少し足りず、自分で釘打ちなどが難しい場合、私が電動ドリルで代わりに木ネジを打ち込む事があります。そんな時、子どもたちは「大きな音が出る〜!こわい〜!」といって嬉しそうにすごく遠くに離れたり、アトリエの外に出たりするのです。うふふ。
様々な作業音に慣れている私は、初め子どもたちのこうした反応にこのくらいの音でも怖いんだなあと驚きましたが、同時に「怖い〜」と言いながらも嬉しそうな子どもたちの様子から、何かを加工するときに大きな力が必要で、大きな音が出るということを知る事も子どもたちにとっては喜びで、とても大事な学びなのだなと感じるようになりました。
アトリエの道具、材料をフル活用できるし、素材の手触り(柔らかいとか硬いとか、グニュグニュしてるとか、ふわふわで気持ち良いとか)をたくさん感じます。たくさんのそうした経験から、これとこれとはテープでつくけど、これはうまくくっつかない。その場合はボンドにして、いや、輪ゴムにしよう、いや紐の方がよい、いや釘だとか。
実体験を繰り返す事でしか、それぞれの特質とそれに伴う工程や心地よさなど、わかるようにはならないのではないでしょうか。
何かを作ることは本当に五感をフル稼働させる学びだと思います。
内容などのソフト面から設備等のハード面含めて、学びの場がオンラインだけになってしまうことなんてとても考えられません。
それでは、本来学ぶべきことの多くが失われてしまう。もちろん、これからのいわゆる「新しい日常」の中では何もないよりオンラインでできることを模索してどんどんするべきでしょう。街のアトリエとしても、今後のウィルスの広がりによってはまたきていただくことが難しくなることも考えられます。来られなくなった時にもできる「作ること」のご提供を目下、模索中です。
それでもまずは、きてもらえる「今」を大事にアトリエの環境を思う存分活用して活動を行っています。
「場」がある「人と人が会う」ことの力をしみじみ感じた、アトリエ再会でした。
6月、7月の活動についてもまた後ほど。
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