今日は何を作ろっか!#2 20251009
- 山田はるこ
- 10月9日
- 読了時間: 3分
先月から始めた「今日は何を作ろっか!」第2段
前回ご紹介した『クリエイティブギャラクシー』は、見ているだけでも楽しい作品。でも実際に何か作ってみるきっかけにするのは意外と難しい…。そこで今回は「すぐに遊びにつながる」本をご紹介します。
日本の伝承遊びを紹介している加古里子さんの本「日本の子どものあそび読本」です。

天狗ちゃんシリーズ、カラスのパン屋さんなどで知られるかこさとしさん、個人的には私自身が子供の頃にはあえて好きな絵本作家というわけではありませんでした。ところが、大人になって我が子の読み聞かせなどで改めて、かこさんの絵本の素晴らしさに感動しています。
この絵本は、作るものを紹介しているだけでなく色々な自然物を使った遊びが紹介されています。私自身はなんとなくこういった遊びは子どものころに、誰かから教わって楽しく遊んでいた覚えがあります。
本の構成としては、①自然物を使った遊び、例えば草笛や、笹の葉の船、クローバーの冠などから始まって、②「紙を使う」新聞紙ぼうしや、紙相撲、③「いろいろ工作」ぶんぶんごまや、りんごのうさちゃん、ハンカチバナナなど④「絵や形をかく」⑤「野はらや広場で」シャボン玉、紙飛行機作りなど⑥「手やゆび」手ふんすい、影絵など⑦「あやとり」となっています。
どれも本当に身近な素材で簡単に作れて遊べるものが紹介されています。
伝承遊びだから懐かしい〜っと感じるものあり、でも私世代でもすでに、こんな遊びもあるんだなあなんて新鮮に感じられるものも色々です。
たくさんの楽しい遊びが紹介されています。

草笛なども、子どもたちとの遊びの中でやってみると意外と「やったのはじめて!」という子も多く、自然遊びに親しんでいない子も最近は多くいると感じています。
とはいえ、今は夏の暑さも厳しくて、外遊び時間が限られる点があるのは、なんとももどかしいし、仕方がない部分もあります。けれど暑い夏、その暑さがどうやら人為的に引き起こされている変化だとする科学的な論拠がある中で、環境の変化に対する受け止め方や対応はさまざまです。環境教育の研究では、子ども時代の自然体験が「自然への親しみや関心」を育み、成人後の環境行動(リサイクルや自然保護活動など)と関連することが報告されています。遊びを通した自然体験は、未来への大切な種まきなのです。
アート、造形表現というと、作品そのものを重視して、「何を作ったの?」「うまくできたの?」がもっぱら大人の関心事になってしまうことがあります。お子さんたちの多くは良くできたかどうか、何が良いかかどうか、大人の目線と同じように考えることはありません。夢中になって何かできたか?「こうしたい!」と思った時にそれができたか?が大事です。
幼児から小学校低学年までは特に様々なものに触れて、今日紹介するような自然物を使った遊びを楽しんだり、なんとなく思いついたアイディアを形にするべく試行錯誤して、繰り返し挑戦できることの方がずっと大事だと思っています。
自然遊びでは、用具をいろいろと準備しなくてもできるし、ゴミも出ないので、作ったものを室内に持ち込まなければ片付けも楽ちんなものです。誰でもすぐにできる遊びです。
「作って遊ぶ」体験は、試行錯誤する力や表現力を育てます。遊びを通じた学びの大切さを実感できる一冊です。
公園に行くときにこの本をバッグに忍ばせてみてください。きっと子どもと一緒に、忘れられない遊びの時間が過ごせるはずです。
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